2026.03.09

抗がん剤治療中に起こる貧血。症状や対策、おすすめレシピを解説

机に突っ伏す人

がん治療を受けていると、「なんだか毎日疲れやすい」「息切れがひどい」「立ちくらみがする」といった体の変化を感じることがあります。

これらは「貧血」によって起こっているのかもしれません。

貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが減少し、体内に十分な酸素が届かなくなる状態です。

抗がん剤治療を受けている患者さんにとって、貧血は比較的よく起こる症状のひとつで、日常生活に影響を与えることがあります。

「年齢のせいかな」「治療の疲れかな」と流してしまう方も多いのですが、早めに気づき、対処することが大切です。

頭を押さえる女性

貧血は、がんそのものによる影響だけでなく、治療過程でも起こりやすい症状です。

特に抗がん剤治療中は、複数の要因が重なって赤血球が減少しやすくなり、日常生活の疲労感や息切れなどにつながることがあります。

骨髄へのダメージ

抗がん剤は増殖の早い細胞を標的とするため、がん細胞だけでなく血液を作る造血細胞にも影響します。

赤血球・白血球・血小板を生み出す骨髄の働きが低下すると、赤血球の供給が追いつかなくなり、慢性的な貧血につながります。

治療の種類や量によって影響の度合いが変わる点も特徴です。

腎臓の機能低下

腎臓は老廃物の排泄だけでなく、赤血球の産生を促すホルモン「エリスロポエチン(EPO)」を作る重要な臓器です。

抗がん剤やがんの進行によって腎機能が落ちるとEPOが十分に作られず、赤血球が増えにくい状態になります。

栄養不足・食欲不振

治療に伴う吐き気、味覚の変化、口内炎などは食事量の低下を招きます。

鉄・ビタミンB12・葉酸といった赤血球の材料が不足すると、体が赤血球を作りたくても作れない状態になり、貧血が悪化しやすくなります。

長期治療では特に注意が必要です。

出血や感染症の影響

血小板が減少すると、鼻血や歯ぐきの出血、消化管での微小な出血が起こりやすくなります。

これが慢性的な鉄不足や赤血球減少につながることがあります。

また、感染症にかかると体内で赤血球が壊れやすくなり、急激に貧血が進むこともあります。

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医師と会話する患者

がん治療中の体調の変化は、どんな小さなことでも遠慮なく医師や看護師に相談しましょう。

特に次のような症状があるときは、貧血の可能性があります。

よくある貧血の症状
・息切れや動悸がする
・疲れやすく、倦怠感が強い
・めまいや立ちくらみがある
・顔色が青白い
・冷えやすくなった
・集中力が落ちた、ぼんやりする

医師に伝える言葉の例
「最近、少し歩いただけで動悸がして息切れします」
「朝起きるのがつらくて、疲れがずっと抜けません」
「立ち上がるとふらつくことが増えました」

貧血の診断には血液検査が必要です。

症状を具体的に伝えることで、医師も適切なタイミングで検査や対策を行いやすくなります。

鉄分を意識した食事

貧血対策には、鉄やビタミンB12、葉酸をしっかりとることが大切です。

とくに「ヘム鉄」(動物性の鉄分)は吸収率が高く、効率的に補給できます。

鉄分の吸収を助けるビタミンCも意識して取り入れましょう。

下記に、鉄分が取れる食事のレシピを挙げます。どれも比較的簡単な作り方なので、ぜひ取り入れてみてください。

あさりのスンドゥブ

あさりのスンドゥブ

【材料(1〜2人分)】

  • あさり(砂抜き済)…150g
  • 絹ごし豆腐…1/2〜1丁
  • 長ねぎ…少し
  • 卵…1個(お好みで)
  • ごま油…少量
  • 水…200〜250ml
  • コチュジャン…大さじ1
  • しょうゆ…小さじ1
  • にんにく(すりおろし)…少し
  • だし粉 or 鶏ガラスープ…小さじ1

【作り方】
① 鍋にごま油とにんにくを入れて軽く温め、香りが出たら水・コチュジャン・しょうゆ・だし粉を加えてスープを作る。
② スープにあさりを入れ、殻が開くまで煮て、あさりの出汁をスープに溶け込ませる。
③ 豆腐を大きめにすくって入れ、軽く温める。最後に卵を落とし、好みの固さになったらねぎを散らして完成。

ほうれん草とツナのおひたし

ほうれん草とツナのおひたし

【材料】(2人分)

  • ほうれん草…1/2束
  • ツナ缶(ノンオイル)…1缶
  • しょうゆ…小さじ1
  • 砂糖…少々

【作り方】
①ほうれん草をさっとゆで、水にとって冷まし、水気をしぼる。
②食べやすい長さに切り、ツナとしょうゆ、砂糖を混ぜる。
③よく和えて、器に盛る。

レバーペースト風ディップ

レバーペースト風ディップ

【材料】(作りやすい分量)

  • 鶏レバー…100g
  • 牛乳…適量(下処理用)
  • バター…10g
  • にんにく…1/2片
  • 塩こしょう…少々

【作り方】
①鶏レバーは血抜きしてから牛乳に30分ほど浸す。
②水で洗って下処理をし、ざく切りにする。
③フライパンにバターとにんにくを入れて香りを出し、レバーを炒める。
④火が通ったらミキサーやフードプロセッサーでペースト状に。塩こしょうで味を調える。
⑤クラッカーや野菜スティックにつけてどうぞ。

いちごとバナナのヨーグルトスムージー

いちごとバナナのヨーグルトスムージー

【材料】(1杯分)

  • プレーンヨーグルト…100g
  • バナナ…1/2本
  • 冷凍いちご…3〜4個
  • はちみつ…小さじ1〜2

【作り方】
①材料をすべてミキサーに入れる。
②なめらかになるまで撹拌し、コップに注ぐ。

薬を服用する女性

日常の工夫だけでは改善が難しい貧血には、医療的な対処法があります。

治療の一環として積極的に取り入れていきましょう。

主な対処法

  • 鉄剤の処方:内服または点滴で鉄分を補います。
  • ビタミン剤の補給:B12や葉酸を医師の判断で処方。
  • エリスロポエチン製剤:ホルモンの力で赤血球の産生を助ける。
  • 輸血:急激な貧血や重度の倦怠感がある場合に行われます。

いずれも医師の判断に基づき、体の状態に合わせて選ばれます。

無理をせず、必要なときにはしっかりサポートを受けましょう。

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がんと向き合う日々の中で、体調の小さな変化は後回しにされがちです。

しかし、「しんどい」「つらい」という気持ちは、決して我慢すべきものではありません。

貧血の症状は、きちんと対応すれば軽くできることも多くあります。

どうかご自身の体の声に耳をすませて、「無理しない選択肢」を選んでください。

監修医 医学博士 上羽 毅

監修医

医学博士

上羽 毅

私は医師として日々の診療にあたる中で、患者さんが抱える「治療に対する不安」や「治療への向き合い方」などの声を多く耳にしてきました。
そのような経験から、このサイトでは信頼性を第一に、最新の医学的知見や治療方針をもとに内容を確認・監修しています。専門的な部分を分かりやすく伝えることを心がけ、読者の方が正しい知識をもとに前向きに治療へ臨めるよう願っています。