がん患者のセルフケア。ストレッチと軽い運動で心と体を整えよう!
がんと診断されたとき、多くの人が感じるのは不安や孤独、そして「これからどうなるんだろう」という漠然とした思いではないでしょうか。
治療に向き合う毎日は決して簡単ではありません。でも、そんな日々の中でも、自分のペースで心と身体を整える方法があります。
それが、ストレッチや軽い運動です。
がん治療中の身体に起こる変化

がん治療では、抗がん剤、放射線治療、手術などにより、筋力や体力の低下、疲労感、痛み、血液や免疫機能への影響など、さまざまな症状が現れる可能性があります。治療後も、後遺症や生活機能の低下がみられるケースもあります。
その一方で、運動はこうした状態の改善・予防・生活の質(QOL)の向上に役立つと、多くの研究で示されています。
国立がん研究センターや日本の運動ガイドラインでも、がん患者への身体活動の維持が推奨されています。
運動・ストレッチの効果とは?
運動には、筋力維持、心肺機能の改善、便秘や血流の改善、気分の向上など、身体・精神両面への効果があります。
特に、軽いストレッチや有酸素運動には以下のような利点があります。
- 筋力・体力の維持
動かすことで筋萎縮や体力低下を防ぐ - 痛みの緩和
関節や筋肉の柔軟性が上がることで症状が緩和される可能性 - 気分の改善
運動によって脳内の神経伝達物質が分泌され、気持ちが前向きになる - 免疫機能のサポート
軽度な有酸素運動が免疫活動に好影響を与える場合もある
がん患者のためのストレッチ&運動メニュー

まずは心と体を整える準備
まず、「自分の状態に合わせて無理なく」が基本です。
運動は頑張るためのものではなく、心地よく過ごすためのケア。医療者に相談しながら、少しずつ始めましょう。
【運動の目安】
・週3〜5回、1回15〜30分程度
・痛みや息切れなどの症状が出たら中止
・体調の良い時間帯を選んで実施
おすすめストレッチメニュー(1日3回が理想)
・首・肩のストレッチ(朝におすすめ)
・首を左右に倒す(各5秒×3回)
・肩をすくめて脱力(5回)
・両腕を前に伸ばして肩甲骨を動かす(10秒キープ×2セット)
・腰・背中のストレッチ(昼や活動前)
・背筋を伸ばして椅子に座り、前屈(15秒キープ)
・ベッド上で膝を抱えた姿勢(10秒×2セット)
・脚のストレッチ(夜や入浴後)
・仰向けで片脚ずつ曲げ伸ばし(左右各10回)
・足首を回す(左右各5回)
軽い運動メニュー(屋内でも可能)
・歩行運動
週3〜5回、1回10〜30分程度
→ 室内やベランダでもOK! 疲れたらすぐ休憩しましょう。
・椅子に座ってできるエクササイズ
・手足の上下運動(各10回)
・太もも持ち上げ運動(片脚ずつ10回)
・腕を広げながら深呼吸(3回)
・有酸素運動(体調が良い日の選択肢)
ゆっくりしたラジオ体操や音楽に合わせて動く
→ 初めは5〜15分程度から。気分転換にも効果的
続けるコツと家族の支援
とはいえ、すぐに運動を習慣化するのはなかなか難しいことです。
以下のことを意識して行うと、継続しやすいかもしれません。
・運動日記をつける
・家族と一緒に取り組む
・目標を「毎日動く」ではなく「週に数回少しでも動く」に
家族の「一緒にやってみよう」という声かけが、患者さんの気持ちの支えになることもあります。
また、家族自身も運動することで、疲労やストレスの軽減につながるでしょう。
さいごに
がんとの向き合い方に、正解はありません。大切なのは、今の自分にできることを一歩ずつ実践すること。
ストレッチや軽い運動は、体だけでなく心を整える「やさしい時間」になってくれるはずです。
このコラムが、あなたが「自分らしく生きる」ためのヒントになれば嬉しいです。
