2025.12.09

がん相談支援センターとは?支援内容と利用方法を解説

掌の上にハートのイラストが2つ書かれている様子

がんと診断されると、治療のことからお金、仕事、家族のことまで、さまざまな不安や疑問が次々と頭に浮かぶかもしれません。

例えば、「がんと診断を受けたが、今後のことが漠然と不安」「治療費はいくらかかるのだろう」「仕事が継続できるか心配」など、そのつらい気持ちや、どこから手をつけてよいかわからない戸惑いを、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。

しかし、がんと向き合うあなたの悩みを受け止め、解決の糸口を一緒に見つけてくれる専門家がいる場所があります。

それが「がん相談支援センター」です。

このコラムでは、がん相談支援センターがどのような場所で、どのように利用できるのかを、わかりやすくご案内します。

窓口で相談する高齢夫婦のイラスト

がん相談支援センターは、がん患者さんとそのご家族が抱えるさまざまな悩みや不安を解決するため、専門的な知識を持った相談員が無料で相談に応じてくれる、国が定めた公的な窓口です。

このセンターは、全国の「がん診療連携拠点病院」や「地域がん診療病院」などに設置されています。

誰でも無料で利用できる

「その病院に通院していないと利用できないのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。がん相談支援センターは、その病院の患者さんやご家族だけでなく、どなたでも・何度でも、無料で利用することができます。

たとえば、まだどの病院で治療を受けるか決めていない方や、セカンドオピニオンを検討している方、他の病院に通院している方でも、気軽に相談することが可能です。

専門的な知識を持つ相談員

がん相談支援センターには、がん医療に携わる専門の相談員(看護師や医療ソーシャルワーカーなど)が常駐しています。

これらの相談員は、がん治療に関する医療的な情報から、社会的な支援制度まで、幅広い知識を持っています。

一人ひとりの状況に応じて、的確な情報提供や、適切な専門家・相談窓口への案内をしてくれます。

紙でできた、?の書かれた吹き出し

がん相談支援センターでは、治療のことから生活に関わることまで、多岐にわたる相談に対応しています。

ここでは、具体的な相談内容の一部をご紹介します。

(1)医療に関すること
 ・がんの標準的な治療法にはどのようなものがあるか、情報提供をしてほしい。
 ・セカンドオピニオンを受けたいが、どうすればいいかわからない。
 ・放射線治療や化学療法など、治療方法に関する不安を聞いてほしい。
 ・緩和ケアはいつから受けられるのか、内容について知りたい。
 ・がんの診断後の生活や療養について、どう考えていけばよいか。

(2)お金や仕事に関すること
 ・治療費がどのくらいかかるのか心配だ。高額療養費制度などの情報を知りたい。
 ・入院中や療養中に利用できる公的な支援制度やサービスについて知りたい。
 ・仕事を続けたいが、体調が心配だ。就労に関する支援制度や相談先を教えてほしい。
 ・会社に病気のことをどう伝えたらよいか、相談したい。

(3)心や生活に関すること
 ・治療の副作用で体調が悪く、精神的に落ち込んでしまう。
 ・がんの診断を受けてから、家族との関係がぎくしゃくしてしまう。
 ・がん患者同士で話ができる場所や、仲間を見つけたい。
 ・子どものことが心配で、どう話したらよいかわからない(小児がんに関する相談も可能です)。

がんに関する悩みは人それぞれです。

どんな小さなことでも、不安に感じていることを話してみるだけで、気持ちが楽になることがあります。

がん相談支援センターは、誰でも気軽に利用できる場所です。

1)がん相談支援センターを探そう

全国のがん診療連携拠点病院に設置されたがん相談支援センターは、国立がん研究センターが提供しているウェブサイトで一覧として掲載されています。「がん相談支援センター」と検索すると、このサイトを見つけることができます。

お住まいの地域や、通院している病院の近くにあるセンターを探してみましょう。

2)電話または面談で相談しよう

センターの相談窓口には、直接訪問して相談する「面談」と、電話で相談する「電話相談」の二つの方法があります。

電話相談
時間がないときや、まずは気軽に話してみたいときに便利です。
相談時間はセンターによって異なりますが、一般的に20〜30分程度の目安が設けられていることが多いようです。
まずは受付時間を確認してから電話をかけてみましょう。

面談
よりじっくりと相談したい場合におすすめです。
事前に予約が必要なセンターが多いため、まずは電話で問い合わせてみましょう。

ご自身にとって相談しやすい方法を選び、まずは一度問い合わせてみることをおすすめします。

【利用する上でのポイント】
・予約の有無を確認
 → 面談を希望する場合は、事前に電話で問い合わせて、予約が必要かどうか確認しましょう。
・相談したい内容を整理
 → 相談内容をメモにまとめておくと、限られた時間の中でスムーズに話すことができます。
・連絡先の確認
 → 電話番号だけでなく、受付時間や場所も事前に確認しておきましょう。

がんの診断は、あなたの人生における大きな出来事です。これまでの生活が大きく変わってしまうのではないかという不安は、決して特別なことではありません。

しかし、がんと向き合う道は、一人で歩む必要はありません。

がん相談支援センターは、そうした不安を一人で抱え込まず、安心して治療や療養生活を送るためにある公的な支援サービスです。専門的な知識を持つ相談員が、あなたの気持ちに寄り添いながら、一緒に解決策を探してくれます。

「がん相談支援センター」という言葉を、この機会にぜひ覚えておいてください。もしも不安や悩みが押し寄せたとき、そこに頼れる場所があるという事実が、あなたの心に少しでも光を灯してくれるはずです。

監修医 医学博士 上羽 毅

監修医

医学博士

上羽 毅

私は医師として日々の診療にあたる中で、患者さんが抱える「治療に対する不安」や「治療への向き合い方」などの声を多く耳にしてきました。
そのような経験から、このサイトでは信頼性を第一に、最新の医学的知見や治療方針をもとに内容を確認・監修しています。専門的な部分を分かりやすく伝えることを心がけ、読者の方が正しい知識をもとに前向きに治療へ臨めるよう願っています。